2015.10.23
電験三種
あらすじ
電験三種に合格しました。電験とは、電気主任技術者試験のことです。電気主任技術者は、大電力を使う事業所やビルなどで、電気設備の保安監督をすることができる国家資格で、第三種から第一種まであります。電験三種はマークシート式で5択の選択問題で、「理論」「電気」「機械」「法規」の4科目あり、試験のレベルは電気系の大学1〜2年生程度!?。過去問と同じ問題は出ないので、丸暗記では無理で、理解力・応用力が必要です。当方は平成26年に「理論」「電気」「機械」の3科目合格し、今年(平成27年)残りの「法規」も無事合格しました。
きっかけ
会社で電気系技術者の「電気スキルアセス」というのがあって、以下の資格を持っているか?の一番目に「電気主任技術者」がありました。いまさらスキルアップでもありませんが、得意な分野でもあり、電気系技術者として、腕試しに受験してみることにしました。受験料はインターネット申し込みで\4,850。
電験三種
100Vや200Vで電気が供給される、普通の家の電気製品や屋内配線は「一般用電気工作物」と言って、「電気工事士」が、決められた電気用品を使って、決められた手順で施工することになっていますが、6,600Vやそれ以上の電圧で供給を受ける工場や高層ビルなどの電気設備は「自家用電気工作物」と言って、工事・保守や運用などの保安の監督者として、電気主任技術者を選任することが法令で義務づけられています(小規模なビルなどの場合は専門業者への委託も可能)。「電験」は「電気主任技術者試験」の略で、この試験に合格した者のなかから電気主任技術者を選ぶことに決められています。第三種から第一種まであって、扱える電圧が第三種は50kVまで、第二種は170kVまで、第一種は制限なしとなっていますが、ほとんどの自家用電気工作物は、受電電圧が50kV以下なので、第三種電気主任技術者の範ちゅうです。
今回の方針
電験三種の試験科目は、「理論」「電力」「機械」「法規」の4科目。実技はなく、全て五択からの選択問題(マークシート)です。第二種電気工事士を受験した時は、実技や工具を買う必要もあり、「ユーキャン」の通信講座(\47,000)を受講し、自己採点では、筆記試験も実技試験もかなりの高得点が得られましたが、電験三種では、一冊三千円くらいの市販の参考書(計4冊)だけを使い、独学で受験してみました。
購入した参考書ですが、(1)当初は4科目が一冊に入ったオーム社の「電験三種完全攻略」(税別\2,600)という本を使って勉強していました。
(参考書)
その後、勉強を初めてから、「電力」と「機械」については、本屋で別の参考書を立ち読みして、さすがに4科目で一冊では学力不足を感じ、それぞれ(2)「電力」と(3)「機械」だけで一冊になっている参考書(それぞれ税別\2,200)を購入し、勉強しました。
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(参考書)
2014.09.07
電験三種の試験は9月初頭の日曜日に一年一回。平成26年の試験会場は、渋谷道玄坂の「フォーラム8(エイト)」。受験者の年齢層は広く、学生さんから初老の方まで様々。試験の部屋はたくさんありますが、一つの部屋で女性は一人いるかいないか、というくらい。試験の時間割は、
理論 9:00〜10:30
電力 11:10〜12:40
機械 14:00〜15:30
法規 16:10〜17:15
で、丸一日かかります。理論と、電力、機械は、A問題14問、B問題3問で90分、法規はA問題10問、B問題3問で65分、となっています。
問題は各科目どれも100点満点中60点取れれば合格(受験者の出来によって、合格点がもっと下がる年もあり)。科目合格の制度もあり、一部の科目が合格した場合、その後2年間、合格した科目の試験は免除されます。解答用紙は持ち帰れませんが、問題用紙は持ち帰りOK。その日の夜には、試験センターから回答が発表されるので、問題に自分の最終回答をメモしておけば、自分で採点できます。
平成26年の自己採点は、
理論 80点
電力 75点
機械 55点
法規 50点
これは、2科目合格して2科目落としたな、と思ったのですが、当方が間違えた機械の問8について、問題の一部に不適切な部分があったとかで全員○(+5点)となり、結果を見たら、自己採点通り、理論、電力、機械が合格していました。(合格点の引き下げもあったようで、55点でもぎりぎり合格だったらしい)
(2014年の試験結果)
2015.09.06
次の年に法規を受けることになったので、(4)法規だけで一冊になっている、オーム社の「電験三種徹底演習法規」(税別\2,600)を購入。これで4冊目です。
(法規の参考書)
通勤の電車や就業時間前とかに、暇があれば目を通していました。法規は覚えることが多いので、試験2週間前くらいからこの本を繰り返しやって、「少なくともこの本に乗っていることは落とすまい」という心づもりで本番にのぞみました。
平成27年の試験会場は、大井町線「尾山台」駅から徒歩15分、多摩川沿いの「東京都市大学世田谷キャンパス」。今回は法規だけなので、15:50までに試験会場に着けば良いのですが、電車が乱れるかもしれないと思い、早めに行きました。尾山台から環八を渡って多摩川近くの会場まで歩く道の、住宅街の曲がり角に誘導の人が立っていました。
法規の問題も、他の科目と同様、即答できるA問題と、計算が必要な応用のB問題に分かれており、A問題は10問で60点、B問題は全部で40点。A問題は法規の穴埋めなので、意味が通じても法規と違うとダメ。覚えていれば回答は一瞬。分厚い法規を全て暗記していれば、A問題だけで合格できるかもしれませんが、今年(平成27年)の問題でも、過去に出ていない(もちろん演習本にも載っていない)法規の出題があり、B問題を捨てると合格は厳しい状況。当方はB問題の問11に、暗記して来た電線のたるみの計算が出て、やったーと言う感じ。(平成27年の法規の問題はこちら)
問12は、電気屋なら、書いてあることを良く読むだけで、勉強していなくても解けるボーナス問題だったのですが、当方は読み込み不足で、(a)、(b)とも間違えてしまいました。その代わり、ちょっと自信のなかった問13は(a)、(b)とも正解でラッキー。平成27年の法規の自己採点は、そんなこんなで69点。ボーナス問題の問12を間違えなければ、胸を張れる82点だったのですが、及第点(大学で単位が何とか取れた)くらいの感じ。第二種電気工事士の筆記試験はユーキャンをきちんと提出して、本番は自己採点で94点でしたが、やっぱり独学だとその点がいまいちかも。
法規の感想ですが、WEBとかで受験者の話を読むと、近年難しくなってきているようです。過去に試験に出ていない法規が出る時があり、当方も法規のぶ厚い本(厚さ≒2.6cm)は一応買いましたが、
(解釈)
細かい文字で589ページもあり、全部覚えるのは、不可能とは言いませんが、かなりのハードルです。(電気分野の弁護士になるような感じ?)。A問題の10問全問正解を狙うより、計算などの応用問題のB問題ができるようにする方が合格の近道だと思います。電気屋のための試験なので、電気を知らない人には合格が難しいようにしているものと思われ、それはそれで良いように思います。
今年の場合、10月23日の朝9:00には、自分が合格したかどうか?受験番号を入れて、WEBで検索できます。また、その日、合格者に合格通知が発送されます。
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(合格通知と免状)
これで、世間的には「強電のエキスパート」。でも、去年の機械(の得点)を考えると、手離しでは喜べない感じ。(^^;
電検三種について
電験三種は驚くほど合格率が低い試験です。今年(H27)で言うと、合格率は5.5%、4科目中一部の科目が合格した科目合格率が21%。マークシートで五択なので、最悪エンピツ転がしでも60点は取れそうな感じがするのがわな。実際のところ、問題は良く出来ており、きちんと内容が理解できていないとなかなか合格にはたどり着けません。
科目合格制度もわな。毎年何科目かずつ合格していけば、資格が取れそうな気がしますが、科目合格の有効期限は2年間なので、一年で合格するつもりで受けないと、何年たっても科目合格から抜け出せない「わな」にはまりそう。受験者を増やそうと「電気技術者試験センター」が仕組んだ「わな」で、受験業者が良い面だけ強調しているのだと思います。
勉強法ですが、もちろん過去問中心の勉強になるのですが、同じ問題が出ることは無いので、同じレベルの問題が出る、くらいの考えで勉強する必要があります。要は理解力・応用力。基本は交流理論(特に三相交流)なので、この辺りの理解が無いと受からないし、受かっても実務面で困ると思います。
電験の勉強で知ったこと
- 交流電力の送電は、モーターなど誘導性の負荷が多いので、昼間の高負荷時は遅れ電流になって、力率が悪くなる。需要家では、並列にコンデンサ(電力用コンデンサ)を入れて力率を改善することで基本料金を減額してもらっている。送電線も基本はコイルなので、遅れ電流要素。でも、地中ケーブルは、コンデンサなので進み電流要素。夜間の低負荷時は、進み電流気味になってしまうこともあるらしい。
力率改善と進相コンデンサ容量計算(電気設備の知識と技術)
- 発電機を小さくするためには、2極(NとS各1個)にして回転数を上げる。50Hz管内なら、3000rpm。発電電力を上げるために、円柱を横に倒した長い構造になる。回転数が速く空気抵抗が損失になるので、発電機の中は水素で満たしている。水素は空気に比べて比熱が14倍で冷却効果に優れ、比重が7%なので風損が少なくて済む。
タービン発電機(wikipedia)
電気(主に発電・送電)について、興味を持ったので調べてみました。
※マイケル・ファラデー(1791年9月22日 イギリス生まれ)
化学者・物理学者。この人がいなかったら、この電気の世の中は、かなり遅れたものになっていたかも、という偉い人。モーターを発明。
※トーマス・エジソン(1847年2月11日 アメリカ生まれ)
言わずと知れた発明王。エジソンの電気照明、電力配給システムは、1880年代アメリカ全土に普及した。しかし、直流で低圧送電だったため、発電所から離れると電圧が低下して電球が暗くなった。
※ジョージ・ウエスティグハウス(1846年10月6日 アメリカ生まれ)と、ニコラ・テスラ(1856年7月10日 オーストリア帝国生まれ)
交流送電を考えた人。交流で高圧送電することで、ナイアガラの滝で発電した電力を、ニューヨークで使うことが可能になった。
※発電機の同期
交流の場合、過負荷になると、電圧降下もあるでしょうが、まず位相が遅れます。例えば東京電力管内の50Hzの位相は、全ての発電機で(もちろん)同期しており、供給電力を増加させるために新たな発電機を投入する場合は、位相を合わせてから接続します。実際は、少し位相を速めて電力系統に接続すると、投入された発電機の位相は「自動的・強制的に合う」のだそう。AC式の時計は「長い目で見ると良く合う」と言われていますが、電力会社は30分の単位で周波数(サイクル数)が合うように、各発電機の出力を微調整しているようです。しかし、深夜になると、動いている発電機が少なくなり、周波数の調整がしづらくなるのだそう。その時に役に立つのが可変速揚水発電。深夜の電力を使ってダムに水をくみ上げるのですが、このくみ上げ量をインバーターで周波数を変えて可変できるので、使う電力量を微調整でき、周波数を安定化できるらしい。
※送電線を張るのが、架線(がせん)電工(ユーチューブ)
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