2006.09.06


第二種電気工事士

 あらすじ

 以前から欲しいと思っていた、第二種電気工事士の資格を取りました。ユーキャンの通信教育を使わせてもらいました。当方は弱電が専門で、日ごろ扱う電圧は高くても12Vくらいまでなので、電力を扱う電気工事士の世界は、久しぶりに新鮮な感じがありました。6月初旬の早稲田大学理工学部での筆記試験、7月下旬の東京農大での技能試験を経て、9月初旬に合格通知を頂きました。


 はじめに

 天井の照明器具が壊れたので、量販店で照明器具を買うので、取り付け工事をお願いしようとしたら、店員さんが「(取り付けは)自分でできますよ」って言うのです。「壁のスイッチを切っておけば感電しませんよ」とも。屋内配線をいじるには資格が必要なことは知っていたので、「何を言っているんだ!?」と思って、その場は買わずに帰ったのですが、店員さんの言葉が残っていて、結局、近くのホームセンターで照明器具を買って、自分で取り付けてしまいました。(^^;


 でも、照明器具を取り付けるのに必要なシーリングローゼットにも「この器具の施工は電気工事士しかできません」って書いてあるし、このくらい自分でできるようになりたいというのが(いつかは取りたいと思っていたけど)、今回直接のきっかけです。




 電気工事士は、人畜に感電、火災などの危害を与えないように配線工事をするための資格で、「第二種」は主に屋内配線などAC600V以下の工事ができます。(他に「第一種」「特殊」などあり)

 試験は筆記試験(6月)と、筆記合格者に対する技能試験(7月)の2段階になっており、年一回。筆記試験は2年有効なので、技能試験で落ちたら、次の年の筆記試験は免除されます。

 筆記と技能の2段階選抜ということで、さすが国家試験という感じですが、国家試験の中では合格率は高い方(50〜60%)だそうです。 



 今回、当方はユーキャンの通信教育を使わせてもらいました。申し込むと、少しして、7冊の教科書と技能試験練習用の教材一式が、宅配便でどんっと送られてきます。


 教科書が技能編も含めて7冊。ビデオが2巻。



 箱の下側には、スイッチやコンセント、アウトレットボックス、電線など技能試験練習用の材料が入っていました。


 当方は弱電が専門なので(^^; 電気工事士用の工具一式も、ユーキャンの斡旋で購入しました。

第二種電気工事士講座:全額一括払学費\47,000
技能試験用基本工具セット\17,500
VA線ワイヤストリッパ(別売り)\6,380

 お金をかけて、周囲にも知らせて、「不退転の決意」です(^^;。工具はインターネットやホームセンターなどで探すと、もっと安価なものもあるのですが、ユーキャンの斡旋工具は、一流品(プロ用)の工具がセットされていたので、ちょっと高かったけど、満足しています。


 (1)圧着工具、(2)電工ナイフ、(3)電工ドライバー+−、(4)スケール、(5)電工ペンチ、(6)ウォーターポンプ・プライヤー、(7)工具箱、の7点セット。

 ワイヤストリッパは別売りでしたが、一瞬でワイヤの被覆をむくことが出来、合格には必須だと思います。


 2月終わりにユーキャンの広告を目にとめ(この頃、派手に宣伝している)、3月1日に申し込みましたが、ユーキャンの電気工事士学習計画<案>は、なんと、来年に受験する2年越しのスケジュール↓。

 (標準スケジュール)
3月全体の学習内容を把握
4月テキスト1:基礎数学と電気理論
5月テキスト2:配電理論と配線設計,電気機器,器具及び材料・工具
6月テキスト3:電気工事の施工方法
7月テキスト4:一般用電気工作物の検査方法と保安に関する法令
8月テキスト5:配線図
9月テキスト6:鑑別
10月テキスト6までを復習 添削問題7
11月テキスト7:技能試験対策ビデオ
12〜2月筆記試験問題を復習
3月〜4月技能試験範囲を復習
5月直前整理
6月筆記試験
7月技能試験
8月 
9月受講期限日2007/09/30

 第二種電気工事士は筆記試験が6月なので、3月から始めると時間が無くて、ある意味仕方が無いのですが、来年なんて悠長なことは言っていられないので、2週間に1冊のペースで巻末テストを提出していきました。

 通信添削は久しぶり(中学の頃の「トレーニングペーパー」以来?)。中学生の頃は随分積みましたが(^^;) 今回は快調に消化し、5月には筆記試験用の総合テストも終了しました。

 ユーキャンのテキストですが、まじめな感じ。もっとシンプルに、出そうなところだけ教える手もありそうなのですが、「教育機関として教えるべきことは網羅する」という姿勢が感じられます。(「試験に出た問題がテキストに書いて無かった」という指摘を受けないためかもしれませんが)。

 でも、勉強のノウハウとして、「なぜ?と考えるな、覚えよ」、「満点を取ろうと思うな、60点取れれば合格」、「計算問題が苦手なら暗記問題で稼ごう」、みたいな記述もあり、何とか途中でくじけずに合格してもらいたい、という気持ちもにじみ出ています。(「朝、早く会社に行って勉強しよう」、「晩酌の前に勉強しよう」などの提案(合格体験談)もありました。)


 2006/06/04(日) 筆記試験当日

 筆記試験の指定場所は早稲田理工学部。高田馬場駅から歩いていたら、段々人が増えてきて、思ったよりたくさんの受験者がぞろぞろ大学に向かって歩いていました。戸山公園際から道案内のガードマンが、矢印を持って要所要所に立っていました。当方が受験した教室は約100人(他にもたくさんの教室を使っていた)。学生が50、社会人が50。女性が3人くらいに見えました。試験時間は2時間でしたが、2回見直しして、これ以上考えても出ないものは出ない、ということで、66分で出てきました。自己採点は3問間違えて94点。


 技能試験

 技能試験は、試験会場に自分の工具を持って行き、その場で実際に簡単な電気(配線)工事を40分程度で完成させる、というもので、完成させないと失格ですし、決められた通りに安全に工事できているか?チェックされます。具体的には、重欠点は1つでもあったらアウト、軽欠点は2つまでOK(3つあったらアウト)です。重欠点/軽欠点の具体的な採点基準の例↓。

平成18年度第二種電気工事士技能試験 判定の判断基準



 ←このような感じのものを40分程度で作ります。

 この例題は、左から電気が入って来て、右はコンセント、下がスイッチで、上の電球(のソケット)を入り切りします。スイッチの上に入っているのはパイロットランプ。

 屋内配線には、直径1.6mmか、2.0mmの単線を2〜3本まとめた、600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル(VAケーブルとか、単にVAとか言われる)が使われます。テーブルタップに使われる“より線”のような柔軟性はありませんが、曲げることは可能で、しかもしっかりと癖がつき、丈夫なので、屋内配線には好適な感じ。



 屋内配線用のケーブルは、白と黒のペア線なのですが、白をアース側にする決まり。アース側はさわっても感電しないので、例えば電球の外側(ネジが切ってある側)に白線をつなぎます。

 スイッチで照明を入り/切りする場合、必ず黒(ホット)側をON/OFFするように配線する決まりがあるので、スイッチを切れば照明側で感電する危険は無くなります。

 弱電が専門の当方は、黒をGNDで使うことが多いので、「その分野にはその分野なりの常識があるんだな」と妙なところで感心。



コンセントに配線するときも、広いほう(写真だと左側)をアース側にする決まりがあり、技能試験で間違えると、一発で不合格(重欠点)になります。テーブルタップを介せば入れ替わるし、交流のコンセントにプラスもマイナスも無いだろうと思っていたのでちょっと意外。




 実際の施工(電気工事)ですが、コンセントやスイッチの結線は実はとても簡単。線を1cmくらいむいて、ぐいっと器具に差し込むだけです。線をむく長さは器具やメーカーによって若干異なるのですが、器具にゲージが付いているので、線をゲージに当てて爪でしるしを付けて、しるしに合わせて被覆をむきます。



 比較的難しいのは、ランプレセプタクル(電球を付ける台)や露出形コンセント(写真)、露出形スイッチなどの「ネジどめ」結線。ネジどめなので、線を2cmむいて、ペンチの角を使ってネジに合わせて右巻きに丸を作って留めます。当方は何ヶ月も練習したのですが、最後までいまいち。ネジの頭から線が見えたりして、完全に納得できる「輪」はなかなかできませんでした。


 ネジどめは(今のところ、技能試験に必ず出題されますが)いずれは無くなっていくのでしょう。振り返ると、20年前の電気工事士試験では、ワイヤストリッパなんて無くて、電工ナイフで線をむいていたし、線の接続もリングスリーブは無かったので、2本の線をねじって接続していたようです。ビデオに一応昔の名残で「ねじり接続」の解説が出てくるのですが、「いつ使うの!?」 という感じ。去年までは技能試験に「ねじり接続」が出題される可能性が無くは無かった(あり得ないけど)のですが、今年から、技能の問題は、あらかじめ公表されている12問から出題させることになったので、そのうち「ねじり接続」もビデオから消えることになりそう…。


 リングスリーブ(左と中)は、圧着の大きさ(大中小○)さえ間違えなければ、誰がやっても同じように安全確実に接続できます。接続にはもうひとつ、差込式コネクタ(右)というのもあるのですが、これはコンセントやスイッチ器具と同様、決められた長さにむいて差し込むだけなので、もっと簡単。 しかも、接続を間違えても、線をひねりながら引き抜けば外してやり直しがききます。(試験ではどちらで結線するか決められているので選べませんが…)


 技能試験は、短時間で決められた施工を完成しなければならないので、練習を積んでいないとまず受かりません。当方は3ヶ月くらい前から、土日に暇があれば練習していました。一回の練習は30〜40分程度なので、ストップウォッチ片手に、手軽にトライできます。練習当初は、線を切りすぎて圧着が難しくなるとか、気をつけたはずなのに、次の日に改めて見るとアース側にホットをつないでいるとか、間違いも多く、時間もかかりましたが、練習を重ねるにつれて急速に上達し、どの問題でも20分程度で完成できるようになりました。

 技能試験の心配ごとが2つありました。(1)線を切る長さを間違えたらどうしよう?(2)ワイヤストリッパーでうまく線がむけなかったらどうしよう? (1)技能試験では、必要な長さの線がまとめて用意されており、受験者が必要な長さに切って使うのですが、当方は練習で何度か、計算を間違えて切ってしまうことがあったのです(そんなに厳密さが要求されている訳では無いのですが)。去年までは、長さを間違えて切ってしまっても、(軽欠点にはなりますが)再支給を受けることができたのですが、今年から線のスペアはもらえないことになったのです。(2)はWEBに、「試験で粗悪な線が使われ、ワイヤーストリッパーでうまく切れなかったという報告があります。電工ナイフで線をむく練習もしておくように」という記述を見たのですが、いまさらワイヤーストリッパー無しで時間内に終わるなんて不可能に近いので…。


 2006/07/22(土) 技能試験当日

 技能試験の指定場所は世田谷区の東京農大。この時も、経堂の駅から受験者が住宅街をぞろぞろ歩いていました。当方は、工具を一揃い工具箱に入れて、工具箱をデイパックで背負って行きました。筆記試験の時は傾いた机だったので、技能試験はどうなるのかな?と思いましたが、技能試験の机は水平でした。でも、かなり狭く、実際に測ってみたところ、120cm×40cm。今回の教室は5列×11人の計55人。メインの試験監督は何と筆記試験の時と同じ女性!(面識がある訳ではないのですが)奇遇です。腕章をした割合年配の男性が二人、サブで試験監督をしていました。あの人たちが、我々が退出したあと、採点するのだと思います。

 試験が始まる前に、支給部品に不足が無いか?確認する時間があるのですが、その段階で、課題12問のうちどの問題か分かりました。「お、この問題はリングスリーブの圧着の大きさを間違えないことが大切だな」みたいな心積もりが出来ます。 今回の技能試験は40分間(途中退出不可)でしたが、割合簡単な問題で、線を切り間違えることも無く、ワイヤーストリッパーもちゃんと使えて、20分で完成し、20分間くらい見直ししていました(^^;。


 平成18年度の技能試験



材料
1 600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形、2心、1.6mm、長さ約1400mm 1本
2 600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形、2心、2.0mm、青、長さ約270mm 1本
3 600Vビニル絶縁電線(黒)、1.6mm、長さ約200mm 1本
4 ランプレセプタクル(カバーなし) 1個
5 引掛シーリング(ボディ(角)のみ) 1個
6 埋込連用タンブラスイッチ 1個
7 埋込連用コンセント 2個
8 埋込連用取付枠 1枚
9 リングスリーブ(中) 1個
10 リングスリーブ(小) 3個


<施工条件>
  1. 配線及び器具の位置は図に従って行うこと。
  2. 電線の色別(絶縁被覆の色)は、次によること。
    1. 電源からの接地側電線はすべて白色を使用し、次の器具の端子には、白色の電線を接続すること。
      • ランプレセプタクルの受金ねじ部の端子
      • 引掛シーリングの接地側極端子(N、W又は接地側と表示)
      • コンセントの接地側極端子(N、W又は接地側と表示)
    2. 電源から点滅器、コンセントまでの非接地側電線はすべて黒色を使用すること。
     
  3. ジョイントボックスは支給していないが、ジョイントボックス部分を経由する電線は、ジョイントボックス部分ですべて接続箇所を設け、かつ、接続方法はすべて終端接続とし、リングスリーブによる圧着接続とすること。
  4. ランプレセプタクル及び引掛シーリングは台座のケーブル引込口を欠かずにケーブルを下部(裏側)から挿入して使用すること。


複線図


被覆のはぎ取り寸法

 35cmは若干長いが、支給された1400mmを4分割してそのまま使用。試験の指定は150mmだが、倍半分までの誤差が許されるのだそう。

完成写真



 2006/09/01 合格発表

 合格通知は9/5に発送されますが、9/1からインターネットで、自分の受験番号が合格名簿にあるか?検索することができます。「検索」ボタンを押すときは、ちょっとドキドキします。

[検索結果]


 まとめ

 今日、合格通知が届きました。これから「第二種電気工事士免状」を都知事に申請することになります。

 電気工事士は受かりましたが、シーリングライトはもう取り替えてしまったし、屋内配線をする機会は無さそうだし、実際に使う場面はあまり想像つきません。家で、上下が気に入らないスイッチを入れ替えたりするくらいでしょうか?妻からは、「洗濯機と電子レンジを同時に使うと、ブレーカーが落ちるのだけど、電気工事士を取ったら直せるの?」と聞かれました。電気工事士がする仕事ですが、天井裏に入ったりする本格的な仕事はちょっと…(^^;。でもけん引免許よりは役に立ちそうね、との講評を頂きました。ボランティアでもする時に使えるかな。「電球取り替えましょうか?当方、電気工事士の資格持ってますよ」、みたいな…(^^;)


おまけ
1 : 筆記試験要点メモ
2 : 絶縁電線・ケーブル・コードの違い


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